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はじめに
「ストレングスファインダー(CliftonStrengths)」の 34 資質の中で 最上志向(Maximizer) は、“既に良いものを 「卓越」 へと磨き上げる研磨職人” と評される影響力の資質です。平均点の底上げよりも、強みをさらに尖らせることに情熱を注ぎ、チームやプロダクトのクオリティをワンランク引き上げます。本稿では 〈特徴〉〈どう活かすか〉〈注意点〉〈この資質を持つ人とどう付き合うか〉〈よく比較される資質との違い〉 の 5 つの観点から、最上志向を徹底解説します。
1. 最上志向の特徴
視点 | 内容 |
---|---|
コア衝動 | “良いものを、とびきり素晴らしい状態まで磨き込む” |
行動プロセス | 現状で光っている部分を瞬時に察知。磨けば伸びる領域へリソースを一点投下。洗練度を測る独自の高い基準を持つ。 |
強みの現れ方 | ハイクオリティな成果物・サービスを生み出す人材の強みを見抜き、適所にアサイン「あと 1 mm」を詰める改善アイデアが豊富。 |
価値提供 | 組織の “強みを伸ばす文化” を醸成し、ブランドやプロダクトの差別化を推進。 |
キーワード | 卓越/洗練/強み特化/選択と集中/品質基準 |
2. 最上志向を最大限に活かす方法
- “強みポートフォリオ” を可視化する
プロジェクト開始時にメンバーの得意領域と成果指標をマトリクス化し、投下リソースを強み側に集中させる。 - ハイエンド市場やプレミアム領域を狙う
量より質が報われる分野――高付加価値のコンサル、デザイン、研究開発など――で才能が輝く。 - プロトタイプ ⇒ 磨き込みサイクルを短縮
完璧主義に陥る前に “素早く出して磨く” リズムを確立すると高品質とスピードを両立できる。 - “ベストプラクティス図鑑” を作る
他社・他業界の卓越例を収集し、品質向上アイデアのインプット源にする。 - 強みフィードバックを日常化
1 on 1 で「ここのプレゼン、説得力が際立っていた」のように具体的強みを伝え、相手の最上志向も刺激する。
3. 最上志向に潜む落とし穴と注意点
落とし穴 | 具体例 | 対策 |
---|---|---|
完璧主義によるタイムロス | 納期直前まで微調整を続ける | MVP(最小実行可能)基準を設定し「出してから磨く」習慣を徹底 |
平均以下の領域を軽視 | システムの小さな不具合を後回し | ボトルネックの影響度を数値化し、最低限の品質ラインを合意 |
基準の高さがプレッシャーに映る | 同僚へ過度に品質を要求 | “ここだけは譲れない理由” を言語化し、妥協点を一緒に決める |
“選択と集中” による機会損失 | 魅力的でも完成度の低い新領域を避ける | 伸びしろの大きさを ROI で評価し、投資判断に組み込む |
4. 最上志向を持つ人との付き合い方・コーチングヒント
- 高い品質目標を最初に握る
ゴール水準が曖昧だと不満が募る。求めるクオリティ指標(例:顧客満足度調査でCSAT80%以上)を具体的に示す。 - 強みをテーマに相談する
「この企画の “尖らせ方” を一緒に考えて」など、卓越化の相談で才能を点火させる。 - 進捗レビューを “磨きポイント” で切り出す
“何が未完成か” ではなく “どこを微細に磨くか” と問うと建設的なブレストになる。 - デビュー前の商品は “試作品” と明言
あらかじめ “ベータ版” と位置づけると完璧主義の心理的ハードルを下げられる。 - 賞賛を “改善の履歴” とセットで伝える
「初稿からここがこう洗練されたね」と変化を示すと、達成感と次の改善意欲が同時に高まる。
5. よく比較される資質との違い
5‑1 最上志向 vs 達成欲(Achiever)
項目 | 最上志向 | 達成欲 |
---|---|---|
ドライブ源 | 卓越した品質 | 大量の成果/達成数 |
成功イメージ | “Best in Class” | “To‑Do リスト完了” |
スピード感 | 質を優先しすぎてスピードが落ちる | タスク処理スピード重視 |
リスク | 納期遅延 | 仕上がりが粗くなる |
コンビ活用 | 達成欲が量産 → 最上志向が選別し磨き上げる |
5‑2 最上志向 vs 回復志向(Restorative)
項目 | 最上志向 | 回復志向 |
---|---|---|
注目点 | 強み部分をさらに伸ばす | 問題部分を修正・復旧 |
モチベーション | “Good→Great” のスケール感 | “Bad→Good” の修復完了 |
フィードバック傾向 | 高い基準でブラッシュアップ提案 | 不具合の根本原因を指摘 |
リスク | 平均点領域を無視 | ポジティブな側面を見落とす |
コンビ活用 | 回復志向が不具合を潰し、最上志向が完成度を極める |
6. まとめ
最上志向は “強みを極限まで高める” というレンズで物事を見つめ、プロダクト・人材・組織文化をハイパフォーマンスへ導く資質です。
- 特徴:強みに一点集中し、卓越を追求する研磨力
- 活かし方:強みポートフォリオの可視化、プレミアム市場狙い、プロトタイプ高速化
- 注意点:完璧主義・基準の高さによるプレッシャー・弱点放置に注意
- 付き合い方:品質目標の明確化、強み相談、試作品宣言で心理的安全を確保
- 比較:達成欲とは “質と量”、回復志向とは “伸ばすと直す” の対比
最上志向が輝けば、「平均を目指す競争」から一歩抜け出し、他にはない 際立った優位性 を手にできます。あなた自身やチームメンバーにこの資質があるなら、本稿を手引きに “卓越への磨き上げ” を日常の習慣へと組み込みましょう。
7. 戦略性の特徴はこちらの動画から!
参考文献
- Gallup. “The Strategic Theme: How You Can Productively Aim Your CliftonStrengths Talent.” Gallup.com.
- Gallup. “Strategic Thinking Domain of CliftonStrengths.” Gallup.com.
- Rath, T. さあ、才能に目覚めよう srengthsFinder 2.0. 日本経済新聞出版, 2017.
- Gallup. ストレングスリーダーシップ. 日本経済新聞出版社, 2013.
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