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歩くことで、自分と出会い直す
2019年の秋、僕は深圳に降り立った。
そこから、ひたすら歩いた。
飛行機も、鉄道も、車も悪くない。だが、歩くことだけが与えてくれる“気づき”がある。
街の空気。人々の声。気温、湿度、におい。
それらすべてが、歩くことで肌に、心に、深く染み込んでくる。
到着から最初の1ヶ月で、僕は深圳の街を300km以上歩いた。
心がざわついていた。何かを感じたかった。自分を取り戻したかった。
だから、僕は歩き続けた。

深圳は“テック都市”というだけでは語れない
深圳と聞けば、多くの人はテンセントやファーウェイといったテック企業のイメージを抱くだろう。
だが、僕にとって深圳は「生きやすさ」そのものだった。
- 外地出身者で構成された街ゆえに、言葉はすべて普通話(標準語)
- 気候は南国らしく一年中温暖(多少の過酷さはあるが、それも含めて僕にとっては過ごしやすかった)
- 中国全土から人が集まり、食文化が豊か(特に湖南料理と四川料理が美味しかった、広東料理はいうまでもない)
- 日本人の口に合う飲茶もあり、中国初心者にもハードルが低い
表面的な利便性ではなく、感覚として“居られる”空気。それが深圳にはあったと、今では感じる。
中国全省を目指すもコロナという想定外、動けない現実の中で
拠点を移して間もなく、中国全土を旅する予定だった僕に、パンデミックが襲った。
まるで試練のようだった。
日本に一時帰国して戻ったら、強制隔離。
街から出ることもできず、約4ヶ月間“缶詰”状態。
心身ともに限界寸前だった僕は、さらに追い詰められた。
当時の体重は、今より15kgも重かった。
未来は閉ざされ、自分の存在価値さえ見えなくなっていた。
それでも、歩いた。
未来も、目的も、出口も見えなかった。
それでも、歩くことだけはやめなかった。
“やらずに死ねるか”──それが唯一の希望だった
人は、何かにすがる時、言葉や論理ではなく、魂に問いかける。
僕にとって、それは「この旅をすること」だった。
- 誰にも理解されなくてもいい
- 成果がなくてもいい
- でも、“これだけはやりたい”と心が叫んでいた
やらずに死ねるか──そう思ったことに賭けたかった。
だから歩いた。
深圳の街を、全身で、味わうように歩いた。
歩いたからこそ出会えた深圳の表情
僕は深圳のあらゆる場所に足を運んだ。
- 深圳大学
- テンセント本社、BYDの拠点、ファーウェイ駅
- 深圳湾から眺める香港
- 中国初の証券取引所、マクドナルド1号店
- 莲花山公園、人材公園、香蜜公園、深圳博物館…
一歩ずつ刻むごとに、自分の感覚が戻ってくるのを感じた。
この街が変化したように、自分も変われると信じた
2007年、僕は駐在員として初めて中国に住んだ。
当時の深圳は「治安が悪い街」として日本人に敬遠されていた。
だが、2020年──
この街は、誰もが認める中国の成長の象徴になっていた。
グレーターベイエリア構想の中核。
テンセント、DJI、BYD…世界に影響を与える企業が集まるこの地に立ち、
僕は思った。
「俺も、いくつになっても、変わっていける」
僕と深圳は、ほぼ同い年だ。
深圳が40年で奇跡の進化を遂げたように、
僕も、これから新しい進化を生きていける。そう思えた。
“食”がくれた、生きる力
話は少し変わるが、僕は市場が好きだ。
料理が趣味ということもあり、深圳のローカル市場に通い詰めた。
中国の市場は、むせかえるようなエネルギーに満ちている。
- 見たことのない野菜
- 色とりどりの果物
- 日本では出会えない食材たち
料理を想像し、食材に触れる。
その瞬間、心の奥底から生きる力が湧き上がってきた。
思い返すと、深圳の華やかな面だけでなく、この街の、新しい時代を作ってきた人たちから溢れ出る熱量が、僕の中のエネルギーを呼び覚ましてくれていたのだ。

環境は、人生を決める。
深圳での生活を通じて、僕はひとつのことを確信した。
「人は、環境によって生かされる。
そして、環境は、自分で選べる」
自分に合わない場所で、苦しみ続けている人は多い。
でも、それを選び続けているのは、他でもない自分自身だ。
その自覚を持てるかもてないかが、人生を大きく分けると思う。
では、あなたに問いたい。
- あなたは、どんな人生を生きたいですか?
- あなたは、どんな環境を選びますか?
- そして、その環境に、どんな意味を与えますか?
僕は歩いた。
環境を変え、自分と向き合い、再び人生を歩き出した。
今、自分自身と向き合う“あなた”の旅に、僕は伴走することができる。
それが、僕の仕事であり、人生のミッションだ。
この記事を書きながら、2020年の全省の旅を思い返しながら、改めてそう感じる。
COACHING-L代表
刈谷洋介
※時代背景は筆者が旅をした2019~2020年をベースに書いておりますのでご了承ください。
中国全省の旅【Vol.4】は以下をクリック
深圳から電車で1時間。川一本を越えた先にある“別の国”のような都市、香港。
歴史の影と未来のざわめきが交錯するこの街を、僕はひたすら歩いた。
制度と自由、伝統とグローバル、東洋と西洋──その狭間に立つ街で、
「境界線」とは何か、自分の中の国境とは何かを問い直す旅が始まった。
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中国全省を旅して【Vol.4】|境界線を歩く:制度と歴史の狭間で見た香港
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