この記事は約6分46秒で読むことができます。

はじめに
「ストレングスファインダー(CliftonStrengths)」の 34 資質の中で コミュニケーション(Communication) は、“言葉に命を吹き込み、アイデアや感情を人の心へ運ぶストーリーテラー” と評される影響力系資質です。平凡な情報でも生き生きと伝え、聴衆の注意を惹きつける力は、チームの共感形成・意思統一・行動促進に直結します。本稿では 〈特徴〉〈どう活かすか〉〈注意点〉〈この資質を持つ人とどう付き合うか〉〈よく比較される資質との違い〉の5つの観点から、コミュニケーションを徹底解説します。
1. コミュニケーションの特徴
視点 | 内容 |
---|---|
コア衝動 | “言葉で人を動かし、空気を変えたい” |
行動プロセス | 複雑な概念を鮮やかな比喩や物語へ翻訳。声の抑揚・間・ジェスチャーで聴衆の感情を調律。リアルタイムの反応を読み取り、語り方を即興調整。 |
強みの現れ方 | プレゼン・ファシリ・ライティングで高い共感と理解を生む。組織ビジョンを物語化し、やる気と連帯感を醸成。アイスブレイクや場の盛り上げ役として雰囲気を活気づける。 |
価値提供 | 情報と感情を橋渡しし、メンバーを同じ方向へ向かわせる“言語のドライバー” |
キーワード | ストーリーテリング/わかりやすさ/説得力/即興適応/感情共鳴 |
2. コミュニケーションを最大限に活かす方法
- “ストーリー骨格”テンプレを常備
・状況→課題→行動→結果→学び──の型で、どんな情報も物語へ即変換。 - マルチメディア発信でリーチを拡大
同じ内容でも文章・動画・Podcast・インフォグラフィック(言葉だけでなく視覚的に伝える工夫)へ展開し、多様な受け手に最適化。 - 「3つのポイント」で要旨を先出し
聴衆の注意が最も高い冒頭に結論と構成を宣言し、理解負荷を下げる。 - 即興 Q&A の練習をルーチン化
週1で“3分即興スピーチ+5分質問タイム”を自撮りし、語尾・間・姿勢をセルフレビュー。 - エモーショナル・ハイライトを仕込む
実体験・顧客の声・失敗談など感情が動くエピソードを90 秒以内で挿入、記憶定着を促進。
3. コミュニケーションに潜む落とし穴と注意点
落とし穴 | 具体例 | 対策 |
---|---|---|
話し過ぎによる時間超過 | ミーティングが予定+20 分 | 話す前に“ゴール・持ち時間”をメモしタイマー設定 |
中身より盛り上げ重視と誤解 | エンタメ過多で論点が薄い | エビデンス・データをスライドで裏打ちしバランス確保 |
即興での言い過ぎ・失言 | ユーモアが行き過ぎネガティブ影響 | “Pause(3秒)→Check→Speak”の3 秒ルールを習慣化 |
自己プロモーション過多と反感 | 「またあの人の武勇伝…」 | “私”より“私たち”を主語にし共創ストーリーへ転換 |
4. コミュニケーションを持つ人との付き合い方・コーチングヒント
- 重要メッセージの“代弁者”に指名
会社方針や新サービスを紹介する社内外プレゼンを任せ、魅力的な言語化で浸透。 - 構成ドラフトを事前共有し双方向改善
原稿やスライドをレビューし、論理展開やエビデンス面でサポート。 - “声を聞く側”の時間も計画的に
ファシリ時は議論を締めくくるだけでなく、聴くフェーズを設計し対話型に。 - リアルタイムフィードバックを活用
プレゼン直後に「ここが響いた/ここは速かった」と具体的コメントでスキルアップを促す。 - 長文よりキーメッセージ抽出を依頼
データレポートや技術論文の要約作成を依頼し、情報圧縮の強みを組織資産に。
5. よく比較される資質との違い
5-1 コミュニケーション vs 社交性(Woo)
項目 | コミュニケーション (Communication) | 社交性 (Woo) |
---|---|---|
フォーカス | 伝える内容の魅力化 | 新しい人との関係開拓 |
強み | ストーリーで共感と理解を創出 | 初対面を惹きつけ人脈拡大 |
リスク | 話し過ぎ・中身不足 | 浅い関係で終わる |
相補性 | 社交性が広げた人脈へ、コミュニケーションが深いメッセージを届ける |
5-2 コミュニケーション vs 活発性(Activator)
項目 | コミュニケーション | 活発性 (Activator) |
---|---|---|
主な役割 | 言葉で感情・理解を整える | 行動へ火をつけるトリガー |
アプローチ | 物語・比喩・明快さ | “とにかく始めよう” の号令 |
リスク | 感情優先で、論理性や根拠が希薄 | 計画不足 |
コンビ活用 | コミュニケーションが意義を語り、活発性が即実行でスピードアップ |
6. まとめ
コミュニケーションは “言葉で心を動かす力” により、組織のビジョン共有・行動促進・感情共鳴を担う資質です。
- 特徴:ストーリーテリング、わかりやすさ、即興適応、感情共振
- 活かし方:ストーリー骨格、マルチメディア発信、3つのポイント先出し、即興トレ、エモーショナルハイライト
- 注意点:話し過ぎ・論点希薄・失言・自己プロモ過多に注意
- 付き合い方:代弁者指名、ドラフト共有、聴く時間設計、即フィードバック、要約依頼
- 比較:社交性とは “内容魅力化と新規関係”、活発性とは “言語伝達と行動始動”の対比
コミュニケーションが適切に活きれば、チームは “情報伝達の摩擦” から解放され、共感と行動が自然連鎖する組織文化を手に入れます。あなた自身やメンバーにこの資質があるなら、本稿を参考に “言葉のチカラ” を組織の成長ドライバーへ昇華させてください。
※補足ポイント
1. 資質の成熟度(Maturity)に応じた変化
- コミュニケーション資質は、未成熟な段階では「目立ちたい」「話したい」が動機になりがちですが、成熟してくると「他者が理解・共感しやすいように話す」「集団の意義づけを担う」など、他者志向・目的志向へと進化します。
- 例:若手の頃は「盛り上げ上手」として評価されるが、成熟すると「戦略的メッセージング」や「理念の伝道者」として組織内で重宝されるようになる。
2. 「聞く力」とのバランス
- 話すことに優れる一方で、「聞くことへの意識」が希薄になりがち。
- 特にコーチングやマネジメントの場面では、「相手の言葉を受け取ってから話す」スキルが求められます。
- 対策:アクティブリスニングのトレーニング、フィードバック収集などを意識的に取り入れる。
3. 他の資質とのコンビネーション例
- 内省(Intellection)×コミュニケーション
深く考えたことを言葉で整理して発信する力 → 講演家・作家タイプ - 共感性(Empathy)×コミュニケーション
相手の気持ちを汲んだうえでの言語化 → 癒しと説得を両立するナレーター - 指令性(Command)×コミュニケーション
強い信念を明確な言葉で伝える → 危機時に人を導くリーダー
4. バルコニーとベースメントの対比
- バルコニー(高い成熟度):
- 組織のビジョンを物語として語り、方向性と感情をつなげる。
- 聴衆の“心を動かす”メッセージを届ける。
- ベースメント(低い成熟度):
- 話すことが目的化し、自己中心的な印象を与える。
- 「うるさい」「空気を読まない」とネガティブ評価される可能性。
5. デジタル時代における活かし方
- SNSや動画コンテンツなど非対面型の発信が重要になる時代において、コミュニケーション資質はますます価値を発揮。
- 例:文章・音声・映像などで一貫した“語り”を展開できれば、パーソナルブランディングにも有効。
7. コミュニケーションの特徴はこちらの動画から!
参考文献
- Gallup. “The Strategic Theme: How You Can Productively Aim Your CliftonStrengths Talent.” Gallup.com.
- Gallup. “Strategic Thinking Domain of CliftonStrengths.” Gallup.com.
- Rath, T. さあ、才能に目覚めよう srengthsFinder 2.0. 日本経済新聞出版, 2017.
- Gallup. ストレングスリーダーシップ. 日本経済新聞出版社, 2013.
個別無料説明会(オンライン)について

ライフコーチングを受けたい方はオンライン無料説明会へお申し込みください。

説明会は代表の刈谷(@Yosuke_Kariya)が担当します!お待ちしています!
コーチング有料体験について
実際にコーチングを体験してみたい方向けに、有料のコーチング体験も用意しております。ご興味のある方は以下をクリックください。
-
コーチング体験(有料)| ライフコーチング |【東京・コーチ歴13年・実績3000時間】
この記事は約4分3秒で読むことができます。 目次 / Contents コーチング体験(有料)のお申し込みページへようこそ!対象クライアント様代表コーチ刈谷洋介のご紹介体験セッションの流れコーチング有 …