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人生の輪とドミノエフェクト:ひとつを変えて、人生全体を動かす方法

この記事は約5分33秒で読むことができます。

人生の輪

はじめに:どこから整えるべきかわからないときに

「やりたいことがたくさんあって、何から手をつければいいかわからない」
そんなときは、まず一つのことに集中するのが効果的です。

そのときに使えるのが「人生の輪(Wheel of Life)」というツールと、「ドミノエフェクト(Domino Effect)」という考え方。この2つを組み合わせれば、小さな変化が連鎖的に広がり、やがて人生全体を変えていくことができるのです。


人生の輪とは?

人生の輪
人生の輪のイメージ図

「人生の輪」とは、自分の生活をいくつかの領域に分けて、それぞれの満足度をチェックする自己診断ツールです。たとえば以下のような領域があります:

  • 健康(体力・睡眠・食事)
  • 仕事・キャリア(やりがい・働き方)
  • 人間関係(家族・パートナー・友人)
  • お金(収入・貯蓄・安心感)
  • 自己成長(学び・挑戦)
  • 趣味・楽しみ(余暇・創作活動)
  • 環境(住まいや職場の快適さ)
  • 精神性(価値観・心の平穏)

すべてを一度に整える必要はありません。まずひとつの領域から整えることで、他の領域にも自然と良い影響が広がることが分かっています。これをスピルオーバー効果(spillover effect)といいます。


ドミノエフェクトとは?

「ドミノエフェクト」とは、一つの小さな行動が、次々と他の良い変化を引き起こし、やがて大きな成果につながる現象のことです。

例:

  • 早く寝る → 睡眠の質アップ
  • 睡眠の質アップ → 集中力アップ
  • 集中力アップ → 仕事の効率アップ
  • 仕事の効率アップ → 自信が高まる
  • 自信が高まる → 人間関係に前向き
  • 前向きな関わり → 週末の勉強や趣味も充実

このように、たった一つの行動がきっかけで、人生の様々な分野に良い循環が広がっていくのです。


なぜ連鎖が起こるのか?その心理的メカニズム

以下の心理学的な理論が、ドミノエフェクトの背景にあります。

1. 自己効力感(Self-efficacy)

「自分はできる」という感覚が行動を起こす力になります。特に近い分野にはこの感覚が波及しやすいことがわかっています。

2. ポジティブ感情の「拡張-形成理論」

喜びや安らぎなどのポジティブな感情は、思考や行動の幅を広げ、新しい習慣や人間関係を築くきっかけになります。

拡張-形成理論のブログはこちら!

拡張-形成理論
拡張-形成理論とは何か?ポジティブ感情が人間を成長させるメカニズム

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3. 資源保存理論(COR理論)

時間・エネルギー・お金などのリソースは、ある程度蓄積されると、さらに良い変化を引き寄せやすくなります(逆もまた然り)。

4. ワーク–ライフの相互スピルオーバー

仕事と家庭、あるいは趣味と自己成長など、異なる領域の間でも良い影響や悪い影響が相互に行き来することが確認されています。


注意点:良い連鎖ばかりではない

「良いことをしたから、ちょっとくらいサボってもいいや」という心理が働くことをモラル・ライセンシングと呼びます。
また、感情や環境によってはネガティブな連鎖が起こることもあります。

つまり、良い連鎖を狙うなら、「どこから始めて、どこまで波及させるか?」を意識的にデザインすることが大切です。


習慣形成のリアル:実は「複利」ではなく「自動化の進行」

「良い習慣は複利のように積み上がる」とよく言われますが、実際には繰り返すことで脳に自動化されていくプロセスが近いです。
ある研究では、習慣が定着するまでの平均期間は約66日とされています(個人差あり)。


どのように実践すればいい?コーチングでの応用例

ステップ1:最初の一枚のドミノを選ぶ

健康、睡眠、家計など、自分にとってインパクトの大きそうな領域を一つ選びましょう。

ステップ2:変化の連鎖を文章化する

「睡眠が整う → 集中力が上がる → 仕事の質が上がる → 自信がつく…」のように、具体的にイメージを描くことで行動しやすくなります。

ステップ3:成功しやすい小さな習慣をつくる

たとえば「寝る90分前にスマホをリビングに置く」など、成功率80%以上と感じる簡単な行動から始めましょう。

ステップ4:逆方向の連鎖を防ぐ

「良い行動の後に気が緩む」を防ぐために、If–Thenプラン(例:朝ランしたら、昼はヘルシーな定食)を使うのがおすすめ。

ステップ5:週1で記録と見直し

睡眠時間や気分などを簡単に記録し、数週間ごとに小さく修正していきます。

ステップ6:近い領域から広げる

最初に整えた分野から、似た領域に徐々に広げていくと、自然と全体に良い影響が出てきます。


実例:健康を起点にした連鎖の例

  • 1~2週目:夜のスマホ断ち+朝の散歩10分
  • 3~4週目:昼食を高タンパクに+カフェイン摂取の時間制限
  • 5~6週目:午前中に集中作業+夕方の片付けタイム15分

この結果、
睡眠の質↑ → 集中力↑ → 仕事が早く終わる → 自信がつく → 人に優しくなれる → 週末の勉強もはかどる
という流れが生まれます。


よくある疑問と答え

Q:一つ整えれば必ず他もうまくいきますか?
A:条件によります。 良い方向にも悪い方向にも広がる可能性があるため、意図的な設計が大切です。

Q:「習慣の複利」は本当?
A:比喩です。 実際は、繰り返しによって自動化されていくプロセス(平均66日)と理解するのが科学的です。

Q:自己効力感があれば何でもできる?
A:自己効力感は分野ごとに濃淡があります。 近い領域から少しずつ橋をかけていくのが現実的です。


まとめ

  • どこから手をつければいいか迷ったら、「人生の輪」で現状を見える化。
  • 最初のドミノ(起点)をひとつ決めて、小さな行動から好循環をつくる。
  • 科学的な裏付けがある心理理論(自己効力感/拡張–形成理論/COR理論/スピルオーバー効果)を活用。
  • 「複利」よりも「反復による自動化の進行」ととらえる。
  • 小さな勝ち → 見直し → 微修正 で、好循環を強めていこう。

最初の一枚のドミノをどこに置くか――それが、あなたの人生を静かに、しかし、確実に動かし始める合図になるのです。


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