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はじめに
「ストレングスファインダー(CliftonStrengths)」の 34 資質の中で 目標志向(Focus) は、“目的に向かって迷いなく進路を築く“進路設計兼推進者” と評される実行力系資質です。明確な目的地を掲げ、寄り道を最小化して成果までの道筋を敷く力は、プロジェクトの停滞を打破し、チームに一貫した前進をもたらします。本稿では 〈特徴〉〈どう活かすか〉〈注意点〉〈この資質を持つ人とどう付き合うか〉〈よく比較される資質との違い〉 の 5 つの観点から、目標志向を徹底解説します。
1. 目標志向の特徴
視点 | 内容 |
---|---|
コア衝動 | “定めたゴールに向かって最短距離で進みたい” |
行動プロセス | 目的→マイルストーン→日次タスクへ高速ブレークダウン。「この作業はゴールに効くか?」で瞬時に優先順位付け。目に見える進捗があると、一気にやる気に火がつく |
強みの現れ方 | 会議の論点を整理し、決定→アクションへ導く。時間・資源を集中させ、デッドライン遵守率を高める。目的からズレた作業を潔くカット。 |
価値提供 | チームの「散漫」を引き締め、優先度を再調整することで成果の確実性を上げる |
キーワード | 優先順位/集中/マイルストーン/タイムマネジメント/実行力/推進力 |
2. 目標志向を最大限に活かす方法
- “見えるゴール” を設定し、毎朝再確認
成果指標(OKR や KPI)をモニターや手帳に貼り、視界に入るたびにフォーカスを再起動させる。 - 90 日サイクルで OKR を組む
長期ビジョン → 四半期 OKR → 週次タスク → 日次 To-Do へ落とし込むと、推進リズムが持続。 - タイムブロッキングで “フォーカススロット” を確保
午前中 9-11 時は最重要タスクだけに集中、とカレンダーを先に埋める。 - 進捗ダッシュボードを共有し “可視化プレッシャー” を味方に
ガントチャートで達成率をチームと共有すると、やり切るエネルギーが跳ね上がる。 - “削る勇気” を称賛する文化をつくる
やらないことリストを公表し、省いたぶんのリソースを注力領域へ再配分。
3. 目標志向に潜む落とし穴と注意点
落とし穴 | 具体例 | 対策 |
---|---|---|
トンネルビジョン(視野狭窄) | 周辺情報や新機会を無視 | 月 1 回 “戦略レビュー日” を設け、視座を高める |
柔軟性の不足 | 方針変更に抵抗し軌道修正が遅れる | 変更要否を判断する “トリガー条件” を事前に設定 |
人間関係の置き去り | タスク優先で感情面を省略 | 1 on 1 や雑談タイムをスケジュールに組み込む |
バーンアウト | 目標達成まで休まず走り続け疲弊 | 進捗達成ごとに “回復イベント” をカレンダー登録 |
4. 目標志向を持つ人との付き合い方・コーチングヒント
- ゴール・期限・指標を具体的に示す
抽象的依頼より「30 日以内にユーザー登録+20 %」と定量化すると才能が着火。 - 中間成果物とレビュー日程を先に握る
細部は任せても、マイルストーン確認日は死守するとスムーズ。 - 優先順位の衝突を早期に調整
重要タスクが多数並ぶとフラストレーションが高まる。全体ロードマップで重み付けを共有。 - “寄り道する価値” を言語化
新施策への軌道変更は「この寄り道が ROI ×倍になる」など数字で納得点を示す。 - 成果を “進捗率” と “インパクト” の両面で讃える
「KPI を達成」「結果として顧客解約率-5 pt」など成果と影響をセットでフィードバック。
5. よく比較される資質との違い
5-1 目標志向 vs 達成欲(Achiever)
項目 | 目標志向 (Focus) | 達成欲 (Achiever) |
---|---|---|
モチベ源 | 目的地への到達 | 毎日の成果量 |
計画性 | ゴールから逆算 | その日の To-Do を積み上げ |
スピード vs 優先度 | 優先度重視 | スピード重視 |
リスク | 視野狭窄 | 短期成果に偏る |
コンビ活用 | 目標志向が優先度を示し、達成欲が大量行動で推進 |
5-2 目標志向 vs 規律性(Discipline)
項目 | 目標志向 | 規律性 |
---|---|---|
主眼 | 何を成し遂げるか | どうやって遂行するか |
強み | 優先順位と集中 | 手順の整備と安定運用 |
行動様式 | 目的⇨タスクへ絞り込む | プロセスを標準化 |
リスク | 柔軟性欠如 | 変化への対応の遅さ |
コンビ活用 | 目標志向がゴール設定、規律性がプロセスを固め品質を担保 |
6. まとめ
目標志向は “一点集中の推進力” により、組織の資源をゴールへ一直線に投下する資質です。
- 特徴:目的から逆算し、優先順位と集中で成果を最短化
- 活かし方:見えるゴール、OKR 90 日サイクル、タイムブロッキング、進捗可視化、削る勇気
- 注意点:トンネルビジョン・柔軟性不足・人間関係軽視・バーンアウトに警戒
- 付き合い方:指標の明確化、マイルストーン管理、優先順位の調整、寄り道の価値説明、成果称賛
- 比較:達成欲とは “目的地と成果量”、規律性とは “優先順位とプロセス” の対比
目標志向が正しく活きれば、チームは “多忙=散漫” から脱却し、集中と高速実行のカルチャー を手に入れます。あなたやメンバーにこの資質があるなら、本稿をガイドに “フォーカスのレール” を敷き、ゴールへ一直線に突き進みましょう。
補足ポイント
1. 資質の成熟度(Maturity)に応じた変化
- 未成熟な段階では「目標に一直線すぎて周囲が見えない」視野狭窄(トンネルビジョン)に陥りやすい。
- 成熟すると、「目的の再定義」や「柔軟な軌道修正」も視野に入れながら、周囲を巻き込んでゴールに導く戦略的推進者になる。
- 例:かつては「計画変更=迷い」と感じていたが、成熟後は「よりよい成果のための再設計」と前向きに捉えるように。
2. 「聴く力」とのバランス
- 目標志向は目的に集中しすぎるあまり、相手の感情・背景・変化の意図を聴き落とす傾向がある。
- 意識的に「なぜこの変更提案が出たのか?」と目的軸で問い直すことで、“聴く”が軌道修正の起点になる。
- 聴くことを「目標達成の精度向上」と捉えるとバランスが取りやすい。
3. 他の資質とのコンビネーション例
- 戦略性(Strategic)×目標志向
→ ゴールを決め、複数の経路を検討しながら最短ルートを選んで進む“実行戦略家”。 - 最上志向(Maximizer)×目標志向
→ 質にも徹底的にこだわる“目指すは最高到達点”タイプ。目的に向かって妥協なく仕上げる。 - 着想(Ideation)×目標志向
→ アイデアが広がりすぎるのを防ぎ、「この中で一番ゴールに近づく案はどれ?」と収束力を発揮する現実指向型クリエイター。
4. バルコニーとベースメントの対比
- バルコニー(高成熟度):
- ゴールに対して柔軟なアプローチを許容し、人・環境・変化に対応しながら目標を粘り強く達成する。
- 周囲の優先順位を整理し、チームを“成果志向集団”に引き上げる触媒となる。 - ベースメント(低成熟度):
- 「目的以外はすべてムダ」と考えて協調性や創造性を切り捨てる傾向。
- チームメンバーの迷いや感情を軽視し、“効率最優先の冷徹さ”に見えることも。
5. デジタル時代における活かし方
- リモート環境や情報過多の時代には、「何に集中すべきか?」を示す力がより重要に。
- Asana、Notion、Googleカレンダーなどで目的とタスクを明確に可視化し、進捗を構造化することで、「散漫さ」を打破する旗振り役として機能。
- Slackでのやりとりも「この会話はどの目標に対するアクション?」と焦点化できると、デジタル疲れのチームに方向性と落ち着きをもたらす。
7. 目標志向の特徴はこちらの動画から!
参考文献
- Gallup. “The Strategic Theme: How You Can Productively Aim Your CliftonStrengths Talent.” Gallup.com.
- Gallup. “Strategic Thinking Domain of CliftonStrengths.” Gallup.com.
- Rath, T. さあ、才能に目覚めよう srengthsFinder 2.0. 日本経済新聞出版, 2017.
- Gallup. ストレングスリーダーシップ. 日本経済新聞出版社, 2013.
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