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ヘレン・ケラー『楽観主義(Optimism: An Essay)』Part II|Optimism Without(社会における楽観主義)【全文英日対訳】

この記事は約5分57秒で読むことができます。

楽観主義

はじめに

Part Iのエッセイでは、ヘレン・ケラーが「個人における楽観主義」について語りました。
続く Part II「社会における楽観主義」 では、歴史的な改革や文明の発展を支えてきた「楽観主義の力」に焦点を当てています。
それでは一緒に見ていきましょう。


Part II Optimism Without(社会における楽観主義)

原文1

Optimism is the faith that leads to progress; it is the enemy of stagnation and decay. Without optimism, society would remain as it is, bound hand and foot by custom and prejudice.

日本語訳1

楽観主義は社会を進歩へ導く信念であり、停滞や衰退の敵である。もし楽観主義がなければ、社会は慣習や偏見に縛られたまま変わらなかっただろう。


原文2

The greatest reforms in history have been born of the spirit of optimism. The abolition of slavery, the emancipation of women, the spread of education—these victories were won because men believed in a better order of things.

日本語訳2

歴史上の最も偉大な改革は、楽観主義の精神から生まれてきた。奴隷制度の廃止、女性の解放、教育の普及──これらの勝利は「社会はより良くできる」と信じた人々がいたからこそ成し遂げられたのだ。


原文3

Pessimism leaves the world as it is. It looks at poverty and says, “It cannot be helped.” It sees injustice and murmurs, “Such is life.” But optimism declares, “These evils can be removed, and we will fight to remove them.”

日本語訳3

悲観主義は世界をそのままに放置する。貧困を見て「仕方がない」と言い、不正義を見て「これが人生だ」とつぶやく。だが楽観主義はこう宣言する──「これらの悪は取り除ける、私たちは取り除くために戦う」と。


原文4

Every great leader of humanity has been an optimist. They have faced obstacles and discouragement, but their vision of a better world sustained them. Through their courage, they lifted humanity a little higher.

日本語訳4

人類の偉大な指導者は皆、楽観主義者であった。彼らは障害や失望に直面したが、「より良い世界」のビジョンが彼らを支えた。そしてその勇気によって、人類を少しずつ高みに引き上げたのだ。


原文5

Society, like the individual, grows strong by hope and confidence. The moment it surrenders to despair, it begins to decay. Optimism is therefore the vital force of civilization.

日本語訳5

社会もまた個人と同じように、希望と自信によって強くなる。絶望に屈した瞬間から衰退が始まる。だからこそ、楽観主義こそが文明を支える生命力なのだ。


原文6

My own life proves this truth. Were it not for the optimism of teachers, friends, and those who believed in me, I should have been shut up in darkness. Their confidence in my possibilities has been the light that guided me.

日本語訳6

私自身の人生がその証明である。もし教師や友人、私を信じてくれた人々の楽観主義がなければ、私は闇に閉ざされたままだっただろう。彼らが私の可能性を信じてくれたことこそ、私を導いた光である。


原文7

Therefore, I hold that optimism in society is not a mere sentiment but a duty. To despair is to betray humanity; to hope is to serve it.

日本語訳7

だから私はこう考える。社会における楽観主義は、単なる感情ではなく義務である。絶望は人類への裏切りであり、希望は人類への奉仕なのだ。


まとめ(Part II)

歴史を振り返れば、人類の大きな一歩はいつも「できる」と信じた楽観主義から始まってきました。
悲観主義はただ立ち止まり、現状を諦めるだけですが、楽観主義は未来を描き、その実現に向けて人々を動かしてきたのです。

社会にとって楽観主義は、単なる気分や一時の感情ではありません。
それは「より良い世界を次の世代に渡していくための責任」であり、私たち一人ひとりに課された義務なのです。

そしてヘレン・ケラー自身もまた、周囲の人々の楽観主義──「彼女は必ず学び、世界とつながれる」という信念──によって人生を切り拓かれました。

その姿は、希望がどれほど他者の人生を照らす力となるのかを私たちに教えてくれます。

※本記事で掲載している 『Optimism: An Essay』(Helen Keller, 1903)の原文はパブリックドメイン であり、著作権の保護期間を満了しています。また、本記事の日本語訳は既存の邦訳書を利用したものではなく、本サイト運営者による新規の翻訳です。したがって、本ブログ記事は著作権法に基づき合法的に公開されています。


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