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コルチゾール研究から学ぶ「好きなことをやる」ことの重要性

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コルチゾール

現代社会は、仕事や家庭、人間関係、そして情報過多によるストレスが日常的に降り注ぐ環境です。私たちはこの絶え間ないプレッシャーにさらされる中で、心身の健康を守るためにさまざまな手段を模索しています。その中で注目されるのが、ジョンズ・ホプキンス大学の研究によって示唆された「コルチゾールと脳の健康」の関係です。

この研究では、血中コルチゾール濃度が高い人々ほど、思考力や記憶力が低下し、脳の容積が縮小する可能性があることが明らかにされました。本記事では、この研究の詳細をもとに、ストレス管理の重要性を理解し、「好きなことをやる」ことが脳の健康に与えるポジティブな影響について考察します。


1. コルチゾールとは?ストレスホルモンの役割

コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、一般的に「ストレスホルモン」として知られています。ストレスを感じると、脳の視床下部から下垂体を経由して副腎皮質を刺激し、コルチゾールが分泌されます。このホルモンには、以下のような役割があります。

  • 血糖値の上昇:エネルギー供給のために肝臓での糖新生を促進
  • 炎症の抑制:免疫機能を一時的に抑制し、ストレス下での体内環境を安定化
  • 注意力と警戒心の向上:危機的状況での生存確率を上げるために脳を活性化

このように、コルチゾールは本来、私たちが危機に直面した際に必要不可欠な役割を担うホルモンです。しかし、慢性的なストレスによって分泌が過剰になると、脳に悪影響を及ぼすことが明らかになってきました。


2. ジョンズ・ホプキンス大学の研究:コルチゾールと脳機能の関係

ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、2,000人以上の健康な成人を対象に、血中コルチゾール濃度と脳機能の関係を調査しました。参加者は思考力や記憶力を測定する心理テストを受けるとともに、MRIによる脳のスキャンを実施しました。その結果、次のような事実が明らかになりました。

  1. 血中コルチゾール濃度が高い人ほど思考力や記憶力が低下
    • 特に前頭前野や海馬といった高次認知機能を司る領域で顕著な影響が見られました。
  2. 脳の容積が縮小
    • 高コルチゾール群の脳は、低コルチゾール群に比べて全体的に小さくなる傾向が確認されました。
  3. 若年層でも影響が見られる
    • 高齢者だけでなく、若年層でも血中コルチゾール濃度が高い場合、記憶力や思考力の低下が見られました。

この研究から、コルチゾール分泌の抑制が脳機能維持のために重要であることが明確になったのです。


3. ストレスを和らげるために「好きなことをやる」重要性

では、コルチゾール分泌を抑え、脳の健康を維持するためには何ができるのでしょうか。その答えのひとつが、「好きなことをやる」時間を持つことです。

3-1. 好きなことがもたらす心理的・生理的効果

私たちが趣味や好きな活動に没頭しているとき、脳内ではコルチゾールの分泌が抑制されるだけでなく、ドーパミンやエンドルフィンといった「快楽ホルモン」が分泌されます。これにより、次のような効果が期待できます。

  • リラックス効果:副交感神経が優位になり、ストレス反応が低下
  • 思考力・創造力の向上:前頭前野が活性化し、認知能力が高まる
  • ポジティブな感情の増加:幸福感や充実感が増し、ストレスに対する耐性が強化される

3-2. フロー状態とコルチゾールの関係

心理学者ミハイ・チクセントミハイは、「フロー状態(没頭状態)」に入ることで、時間の感覚を忘れるほど集中でき、幸福度が増すことを示しました。このフロー状態に入るとき、コルチゾール分泌が抑えられ、脳が活性化すると考えられます。好きなことに取り組むことで自然とこのフロー状態に入りやすくなり、結果的に脳の健康維持につながる可能性があるのです。

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4. 「好きなことをやる」具体的な方法

ストレスを和らげ、コルチゾールを抑制するためには様々な方法がありますが、まずは次のようなステップで「好きなことをやる時間」を日常に取り入れてみましょう。

4-1. 自分が好きなことをリストアップする

まず、自分が心から楽しめる活動をリストアップします。例として以下のようなものが挙げられます。

  • 音楽を聴く、楽器を演奏する
  • 絵を描く、文章を書く
  • 散歩やジョギングをする
  • 読書や映画鑑賞
  • ガーデニングや料理
  • 旅をする
  • 以前から興味があった分野の学習をする

4-2. 小さな時間を確保する

忙しい日常の中でも、「好きなこと」をするための時間を確保することが重要です。例えば、次のような工夫ができます。

  • 朝の15分を読書や瞑想に充てる
  • 通勤時間にお気に入りの音楽やポッドキャストを聴く
  • 休日に趣味に没頭する時間をスケジュールに組み込む

仕事など緊急なことに追われていると、慣性が働くのでなかなか好きなことに時間を使うことが難しいかもしれませんが、最初は無理矢理にでも始めてみると徐々に習慣化されてきます。最初の一歩目がとても重要です。

4-3. 自分を責めないマインドセットを持つ

ストレスが溜まる原因のひとつに、「やるべきこと」に縛られることがあります。緊急なことに追われてばかりいると時間だけが過ぎていく感覚に陥り、虚無感に苛まれます。時には重要度の低いタスクから離れて、自分の人生にとって本当に大切なことや好きなことをする時間を設けることを自分に許可する勇気が必要です。同時に、好きなことをやる自分自身を責めないように心がけましょう。


5. 実践例:趣味を通じてストレスを軽減した人々

5-1. 音楽がもたらすストレス軽減効果

音楽活動がストレス軽減に寄与することは、多くの研究で示されています。例えば、音楽を聴くことや演奏することが、コルチゾールのレベルを低下させ、リラクゼーション効果をもたらすことが報告されています。これにより、音楽を趣味とする人々は、日常のストレスを和らげ、精神的な健康を維持する手段として音楽を活用しています。

5-2. 創作活動による認知機能の向上

絵画や手工芸などの創作活動は、脳の活性化に寄与し、認知機能の維持・向上に効果的であるとされています。これらの活動に没頭することで、ストレスが軽減され、脳の可塑性が促進されることが示唆されています。その結果、創作活動を日常的に行う人々は、精神的な充実感を得るとともに、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。


6. まとめ:脳の健康を守るために「好きなことをやる」

ジョンズ・ホプキンス大学の研究をはじめとする多くの科学的エビデンスは、ストレスが脳の健康に悪影響を及ぼすことを示しています。しかし、音楽や創作活動、マインドフルネス瞑想などの「好きなこと」を日常に取り入れることで、ストレスを軽減し、コルチゾールの分泌を抑制することが可能です。これにより、思考力や記憶力の維持、さらには脳の健康を守ることにつながります。忙しい現代社会において、自分の好きなことに時間を割くことは、単なる娯楽以上の価値があるのです。それは、心身の健康を支える重要な要素であり、豊かな人生を送るための鍵となるでしょう。皆さんも、是非日々の生活に「好きなこと」を取り入れてみてくださいね。

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