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褒めるよりも勇気づけ:職場で活かせるアドラーの勇気づけの概念

2024年5月21日

この記事は約5分25秒で読むことができます。

勇気づけ

褒めるよりも勇気づけ:職場で活かせるアドラーの勇気づけの概念

アルフレッド・アドラーの心理学(アドラー心理学)では、「褒める」ことや「叱る」ことが有害であると述べています。これは、人の動機づけや人間関係に影響を及ぼすためです。アドラー心理学に基づくと、褒めることも叱ることも「上下関係」に基づいて行われるため、他者への依存を促進し、自主性や自立心を削ぐ可能性があると考えられています。

褒めることの問題点(アドラー心理学の視点)

  • 上下関係の強調 : 褒めることは、上司・部下、親・子供などの上下関係を強調し、他者からの評価に依存するようになります。これにより、個人は自らの価値を他者の評価に依存するようになり、自主性が失われます。
  • 承認欲求の増大 : 褒められることで「他者の期待に応えること」や「評価を得ること」が動機づけの主たる要因となり、内発的な動機づけが弱まります。これにより、自らの内側から湧き上がる意欲が減少し、外部からの評価を求める傾向が強まります。
  • 自己評価の欠如 : 褒めることで他者の評価を重視するようになり、自己評価の力を失うことがあります。自己の価値を他者の目を通してしか見られなくなるため、自分自身の成長や達成感を感じにくくなります。

アドラー心理学に基づく仕事での対応

アドラー心理学では、上下関係に基づく「褒める」や「叱る」行為ではなく、共同体感覚に基づくアプローチを推奨しています。具体的には縦の関係(上下関係)ではなく横の関係(対等な関係)が推奨され、以下の点が重要とされています。

  • 「勇気づけ」: 褒めることの代わりに、他者の努力や貢献、成長を認める「勇気づけ」を行います。例えば、「あなたの努力がチームに良い影響を与えています」「あなたの行動で私たちの目標に近づきました」など、具体的な行動や成果を認めることが重要です。
  • 「承認」 : 業績だけでなく、その人の存在そのものを認めます。例えば、「あなたがチームにいることでとても助けられています」「あなたの貢献は私たちにとってとても重要です」など、存在そのものを尊重する言葉を使います。
  • 「協調」 : 個々のメンバーが自主性を持ち、組織の一員として協力し合える環境を作ります。上司やリーダーはメンバーに対して、指導者ではなくパートナーとして接し、共同目標に向かって協力する姿勢を示すことが重要です。
  • 「自主性の促進」 : メンバーの内発的な動機づけや自主性を促進し、自らの目標に向かって行動できる環境を作ります。自主的に学び、成長できる機会を提供し、フィードバックを行うことでメンバーが自らの努力に対する満足感を得られるようにします。

勇気づけの利点

職場で勇気づけの概念を採用することで、次のような利点が得られます。

  • 内発的動機づけの向上 : 褒めることに頼らず、自己の成長や貢献に喜びを感じることで、メンバーの自発的な意欲が向上します。これにより、個々のメンバーが自らの力で目標を達成しようとする姿勢が強まります。
  • 共同体感覚の促進 : 横の関係を強調することで、組織全体としての連帯感や協力の意識が高まります。これにより、職場の雰囲気がより協力的で支え合うものとなり、全体のパフォーマンスが向上します。
  • 自己肯定感の向上 : 他者との比較に基づく評価ではなく、自らの努力や成長を実感できることで、自己肯定感が高まります。自己の価値を自分自身で認識し、自信を持って行動することができるようになります。

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実際の職場での応用

アドラー心理学の考え方を取り入れることで、職場で以下のようなコミュニケーションを実践できます。

  • 評価する場合 : 「結果」だけではなく、「プロセス」にも焦点を当てます。「今回のプロジェクトでのあなたの努力は素晴らしかった」「プロセスでの工夫が功を奏しましたね」など、プロセスを称賛することで、努力や工夫が評価されます。
  • フィードバックを行う場合 : 個人を批判せず、行動に焦点を当てます。「この部分で工夫したらもっと良くなると思います。どう思いますか?」などの建設的な提案を行うことで、個人の成長を促進します。
  • チームでのコミュニケーション : 互いに助け合い、貢献し合う文化を作ります。「このプロジェクトであなたのサポートが重要です。ぜひ協力してください」「あなたのアプローチでプロジェクトの進行が円滑になりました」など、具体的な貢献を認め合います。

勇気づけの実践のためのヒント

勇気づけを実践する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 自己認識を深める : 自分自身が他者を「褒める」や「叱る」ことに頼っていないかを振り返り、勇気づけの姿勢を意識的に取り入れることが重要です。
  • メンバーと対話する : 個々のメンバーの努力や成長に関心を持ち、それに焦点を当てたフィードバックを提供します。これにより、メンバーは自らの努力が認められていると感じ、より意欲的に取り組むことができます。
  • フィードバックを求める : 自らもメンバーからのフィードバックを受け入れ、成長のために活用する姿勢を持つことが重要です。これにより、リーダーシップの質が向上し、全体の信頼関係が強化されます。

まとめ

アドラー心理学では「褒める」ことと「叱る」ことの双方に注意を促していますが、仕事においてもこれらの考え方は重要です。「褒める」ことの代わりに、メンバーの努力や貢献を「勇気づけ」ることや「承認」することが、内発的な動機づけと共同体感覚の向上につながります。職場で勇気づけを実践することで、メンバーの自主性や成長をサポートし、組織全体の生産性や連帯感を高めることができます。勇気づけの実践を通じて、より健全で効果的な職場環境を築き上げましょう。

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