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組織効力感とは何か?組織を強くする心理的資本の力と高め方を徹底解説

2025年5月11日

この記事は約5分10秒で読むことができます。

組織効力感

はじめに:なぜ今「組織効力感」が重要なのか

現代のビジネス環境は、変化のスピードが速く、複雑さを増しています。多様性のあるチーム、リモートワーク、イノベーション志向、グローバル競争など、企業に求められる能力は高度化しています。そんな中、成果を出し続ける組織に共通して見られる特徴が「組織効力感」です。

「組織効力感」とは、組織の構成員が「我々の組織には目標を達成する力がある」と感じている心理的な状態を指します。これは個人の「やればできる」という感覚=自己効力感(self-efficacy)の組織版ともいえるものです。

この感覚が高い組織は、逆境に強く、チャレンジを楽しみ、メンバー間の信頼も厚い傾向にあります。一方で、どんなにスキルがあるメンバーが揃っていても、組織効力感が低いと、萎縮し、学習し、協働する文化が育たず、パフォーマンスも上がりません。

この記事では、「組織効力感とは何か?」という基本的な定義から、その構成要素、他の概念との違い、実践的な高め方、そしてコーチングや組織開発への応用例までをわかりやすく解説します。


組織効力感とは?

組織効力感の定義

組織効力感(Organizational Efficacy)は、バンデューラが提唱した「集団効力感(Collective Efficacy)」に由来し、「組織全体が共通して持つ、課題達成への信念」として定義されます。

この信念は単なる楽観ではなく、過去の成功体験や共有されたビジョン、信頼関係といったリアルな土台の上に築かれます。

構成要素

  1. 共有された目的意識
     ビジョンや目標が組織内で明確に共有されているかどうか。
  2. 成功体験の積み重ね
     「うまくいった」という記憶が個人にも集団にも影響する。
  3. 信頼と相互支援
     心理的安全性の高い組織では、安心して意見が出せる。
  4. リーダーシップの存在
     信頼されるリーダーがいることで、集団の士気が上がる。
  5. 適切な役割分担とチームワーク
     自分の役割が意味を持ち、仲間と連携できている感覚。

関連概念との違い

概念内容
自己効力感「自分にはできる」という個人の信念
集団効力感「このチームならできる」という小集団レベルの信念
組織効力感「この組織全体でやり抜ける」という、組織全体の共有された信念

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なぜ組織効力感が重要なのか

1. モチベーションと主体性の向上

組織効力感が高いと、メンバーは自発的に行動しやすくなり、指示待ちではなく、自ら挑戦する傾向が高くなります。

2. 創造性と学習力の向上

「失敗しても何とかなる」という土壌があると、新しいアイデアを出すことにためらいがなくなり、学習する風土が育ちます。

3. 離職率の低下とエンゲージメント向上

「このチームにいたい」「ここで頑張りたい」という感覚は、感情的な絆とつながりがあります。組織効力感のある職場では、従業員満足度も高まりやすくなります。

4. 組織のレジリエンス

トラブルや外部環境の変化に対して、「この組織なら乗り越えられる」という自信があるため、冷静に対応できます。


組織効力感を高める方法

方法1:成功体験の言語化と共有

チームやプロジェクトでの成功事例を振り返り、なぜ成功したのか、どのような工夫があったのかを可視化・共有します。これが「できた記憶」となり、効力感を底上げします。

方法2:ビジョンと価値観の再確認

組織のミッション・ビジョン・バリューを再確認し、それが日々の行動にどう関係するかをメンバーに落とし込みます。納得感が強まると、行動にも一貫性が生まれます。

方法3:心理的安全性の確保

「何を言っても大丈夫」という空気が、創造性と信頼を生み出します。上司と部下の人として対等な関係性やフィードバックの文化が大きなカギになります。

方法4:リーダーによるモデリング(模範行動)

リーダーが「チャレンジする姿勢」「支援する態度」を示すことで、メンバーも安心して行動できます。これはバンデューラの「代理経験」にも通じる要素です。

方法5:チームの強みを活かす

ギャラップ社のストレングスファインダーのように、個人やチームの強みを活用することで、貢献感や達成感が高まり、結果として効力感の源泉となります。


コーチング・組織開発への応用

組織効力感は、コーチングや組織開発(OD)の分野でも注目されています。

コーチングにおける応用

  • 質問技術:「うまくいった時、何が起きていましたか?」というリフレクションの促進
  • 強みの言語化:「あなたのチームの強みはどこにありますか?」
  • 未来志向の対話:「次に向けてどんな可能性を感じていますか?」

組織開発における活用

  • AI(Appreciative Inquiry)アプローチ:「強みと成功を探る」対話を通じて効力感を育てる
  • 全社ワークショップ:成功体験やビジョンを共有する場を設計し、感情的なつながりを強化する

おわりに

組織効力感は目に見えづらい概念ですが、実は組織文化や成果、変化への適応力に大きな影響を与える「心理的資本」のひとつです。だからこそ、日々のマネジメントや対話の中で意識的に育てていくことが重要です。

「このチームならできる」という信頼と自信が、最終的には「この会社にいてよかった」という誇りへとつながっていくのです。

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