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はじめに|「幸せの正体」を科学的に考える
あなたは「幸せ」と聞いてどんな瞬間を思い浮かべますか?
美味しい食事を楽しんでいるとき、大切な人と笑い合っているとき、夢中で趣味に没頭しているとき……人によってイメージはさまざまですよね。
心理学者マーティン・セリグマンは、かつて「幸せ(happiness)」を中心に理論を展開していましたが、後にそれをより包括的な概念である「ウェルビーイング(well-being)」へと発展させました。そして、このウェルビーイング(心身ともに満たされた持続的な幸福)を支える要素を体系化したのがPERMA理論です。
PERMAは次の5つの言葉の頭文字からできています。
- P:Positive Emotion(ポジティブ感情)
- E:Engagement(没頭・フロー)
- R:Relationships(人間関係)
- M:Meaning(人生の意味)
- A:Accomplishment(達成感)
つまり、ウェルビーイングは「たまたま訪れるもの」ではなく、自分で育てていけるスキルだと考えられるのです。
PERMA理論の5つの柱をやさしく解説
1. (P) Positive Emotion|ポジティブ感情
「楽しい!」「ありがたいな」「心が安らぐ」など、プラスの感情を味わうこと。
ここで大切なのは、ネガティブな感情をゼロにすることではないという点です。怒りや悲しみがあってもいい。ただ、その中でも「小さな喜び」を見つける習慣が幸福感を支えます。
✅ 今日からできること
- 夜寝る前に「今日あった良いことを3つ」書いてみる
- 美味しいコーヒーを飲んで「美味しい!」と声に出す
- 季節の花を眺めて「きれいだな」と立ち止まる
ポジティブ感情の重要性についてはこちら!
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2. (E) Engagement|没頭・フロー
「気づいたら何時間もたっていた!」そんな経験はありませんか?
スポーツに熱中したとき、楽器を演奏しているとき、仕事でアイデアが湧き出ているとき……これは心理学でいうフロー体験です。
フローのカギは、自分の強みを活かせることとちょうどよい難易度。簡単すぎると退屈し、難しすぎると挫折します。
✅ 今日からできること
- 「時間を忘れる瞬間」をメモしてみる
- 得意分野や好きなことに少しだけ挑戦を加えてみる
- 家事や勉強にも「タイムアタックゲーム化」して没頭する
フロー体験についてはこちら!
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3. (R) Relationships|人間関係
スタンフォード大学の長期研究でも明らかになっているのが、良好な人間関係は寿命を延ばすほど重要だということ。
人は孤独だと心身に悪影響を受けやすく、逆に支え合えるつながりがあると安心感が増し、ストレスにも強くなります。
✅ 今日からできること
- 家族に「ありがとう」と一言伝える
- 久しぶりの友人にLINEやメールを送ってみる
- 職場や学校で「お疲れさま」の一言を大事にする
ちょっとした言葉でも、関係性は少しずつ温まっていきます。
4. (M) Meaning|人生の意味
「自分は何のために生きているのか?」
こう問われると、すぐに答えられないかもしれません。でも、意味や目的を感じることは、人を困難から立ち直らせる力になります。
ヴィクトール・フランクルは強制収容所の体験から「人は意味を見出すことで苦しみを乗り越える」と語りました。意味は大げさな使命でなくても構いません。
✅ 今日からできること
- 「なぜこの仕事をしているのか」を書き出してみる
- ボランティアや地域活動に参加してみる
- 家族や友人の役に立てた瞬間を思い出してみる
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5. (A) Accomplishment|達成感
小さなゴールを達成したときに生まれる「やった!」という気持ち。これがモチベーションを支え、次の行動につながります。
達成感は必ずしも「大きな夢の実現」だけではありません。日常の小さな積み重ねでも十分です。
✅ 今日からできること
- 1日1つだけ「今日のゴール」を決める(例:ゴミ出しをする)
- 達成したらカレンダーに✔️をつける
- SNSや日記で「できた!」を共有してみる
達成感についてはこちら!
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PERMAを生活に取り入れる具体例
PERMAの5要素は、それぞれがつながり合っています。例えば、友人と一緒にスポーツをすれば「没頭(E)」「人間関係(R)」「達成感(A)」が同時に得られるでしょう。
日常でできる小さな工夫
- 朝起きて「今日楽しみにしていること」を声に出す(P)
- 通勤中に好きな音楽を聴いて気分を上げる(P・E)
- 職場の同僚に「ありがとう」を伝える(R)
- 自分の価値観に合った本を読む(M)
- 1日の終わりに「今日できたことリスト」をつける(A)
ちょっとした意識の積み重ねが、幸福感の底上げにつながります。
PERMA理論の科学的エビデンス
「気持ちの持ちよう」で片付けられそうですが、PERMAには科学的な裏付けがあります。
- ポジティブ感情(P)は免疫力を高め、ストレスホルモンを減らすことが研究で確認されています。
- フロー体験(E)は仕事や学習の効率を大幅に向上させます。
- 良好な関係(R)はうつ病リスクを下げ、寿命を延ばす効果も示されています。
- 意味(M)を持つ人は、逆境からの回復力(レジリエンス)が高いことが分かっています。
- 達成感(A)を感じることで、自己効力感が育ち、さらに新しい挑戦へとつながります。
PERMA理論まとめ表
要素 | 内容 | 今日からできる実践例 |
---|---|---|
P(ポジティブ感情) | 喜び・感謝・安らぎ | 感謝日記、花を見る、コーヒーを味わう |
E(没頭) | フロー体験 | 趣味や得意分野に集中、タイムアタック家事 |
R(人間関係) | 良好なつながり | 「ありがとう」を言う、友人に連絡する |
M(意味) | 人生の目的・価値観 | ボランティア、仕事の意義を再確認 |
A(達成感) | 成功体験・自己効力感 | 小さなゴールを決め、チェックリスト化 |
まとめ|PERMAは「幸せの筋トレ」
PERMA理論は「一度学んだら幸せになれる魔法」ではありません。むしろ筋トレに近いもので、日々の小さな実践が積み重なるほど、幸福度はじわじわと高まっていくのです。
- 感情を味わい(P)
- 好きなことに没頭し(E)
- 人とつながり(R)
- 意味を見つけ(M)
- 小さな成功を祝う(A)
この5つを生活の中で意識するだけで、あなたの毎日は確実に豊かになります。
今日からできる「小さなPERMA習慣」を始めてみませんか?
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