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【必見】コーチは心理学を学ぶべき?ICFプロコーチお勧めの心理学と本3冊

2023年10月23日

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【必見】コーチは心理学を学ぶべき?ICFプロコーチお勧めの心理学と本3冊

コーチは心理学を学ぶべき?

本日のCOACHING-Lブログは、コーチが心理学を学ぶべきか?についてです。この点については様々な意見があるかと思いますが、私としては学ぶことをお勧めしています。まず、日本におけるコーチングの歴史はビジネスコーチングから徐々に市民権を得ていったという流れがあります。また、コーチング自体はアメリカが発祥で、アメリカ型のコーチングはどちらかと言うとエビデンスよりも実用的、実践的側面が強く、資格も民間資格が乱立しているという点から業界への信頼性は決して高いと言えないというのが個人的見解です。しかし、コーチングの歴史を辿ると、アドラー、マズロー、ロジャーズといった心理学の巨匠たちから大きな影響を受けており、傾聴の技術などはカウンセリングと重複する部分があるなど、コーチも心理学の知識や理論を一定程度身につけることで技術的基盤に深みが出るだけでなく、クライアントとの関わり方の幅が広がるはずです。本日はコーチングと非常に相性の良い心理学という視点で※TA(交流分析)に関連する書籍を3冊紹介します。TAは「人と人とのやり取りの分析」という意味を持つ心理学の体系的な理論で、アメリカの精神科医であるエリックバーンによって考案されました。また、このTAは非常に分かりやすく、且つコーチングに応用しやすいという特性があるのでコーチにとって有益な本という観点でご紹介します。

※TA = Transactional Analysis

ひきがえるくん、カウンセリングを受けたまえ

TAの概念を物語形式でわかり易く解説している一冊、筆者がTAに興味を持ったきっかけの本です。最初に心理学に興味をもった本と言っても良いでしょう。この本はイギリスでベストセラーになったカウンセリングの入門書で、イギリスでは子供向けの古典としてお馴染みの“The Wind in the Willows”(邦訳『たのしい川べ』)の後日談として話が展開していきます。

お調子者のひきがえるがすっかり意気消沈してしまい、友人のモグラ、ネズミ、アナグマがひきがえるにカウンセリングを受けることを強く勧めます。そしてそのカウンセラーはアオサギ、ひきがえるはアオサギの10回に渡るセッションで自分と向き合い、どんどん自分らしさを取り戻していきます。子供向けの絵本がベースになっているとは言え、内容は本格的です。自我状態、人生脚本、ゲームなど主要なTAの理論は盛り込まれていますし、ひきがえるが「成人」の自我に基づき、運命を変える選択をし、真の自分に近づいていくことで、仲間達との友情を取り戻していく姿には感動を覚えます。

交流分析を細かく学ぶというよりは、まずは交流分析の概要を掴み、カウンセリングを受けることで人はどう変化していくのかを物語調で学べるという点で心理学がとっつきにくいと考えている方にもお勧めの一冊です。

TA today

筆者のレビューは初版です。現在は第2版が発売されているのでこちらを紹介いたします。

上記、「ひきがえるくんカウンセリングを受けたまえ」とは違い、教科書的役割です。TA(交流分析)を学ぶ方にはバイブル的一冊になるでしょう。TAの哲学、自我状態、交流、ストローク、人生脚本、人生の立場、禁止令、ドライバー、値引き、ラケット感情、ゲーム、TAにおける変容などTAにおける主要な要素がしっかりと学べます。この書籍を読み込むことで、コーチングでも応用できる知識や技術が手に入ります。

COACHING-Lのブログで何度も紹介しているインナーゲームの理論もTAの理論で説明がつく部分も多く、分かりやすいだけでなく実践的です。私は初めてTAを深く学んだのはGCSのコーチのための心理学講座でPCC兼公認心理士のコーチのクラスを受講した時でした。そこでTAの概念を学んだのち、当書籍で詳細を学びました。事前に講座で学んだおかげで書籍の理解が深まりました。コーチの方でTAに興味がある方は、講座の受講もお勧めです(ICF認定コーチはCCEのポイントももらえます)。

※コーチの為の心理学講座を学びたい方は以下をクリックください。

この書籍のユニークな点はエクササイズが多数掲載されている点です。個人エクササイズを通して、TA的視点から自己理解を深めることが可能となります。書籍は約400ページ、エクササイズの量もかなり多いので、まずは通しで一度読んでみて、エクササイズは2回転目に実施するなど工夫されると良いと思います。また、当書籍の冒頭にはTAの哲学的前提が書かれているのですが、私はこの哲学にとても共感しています。

人はだれでもOKである。

誰もが考える能力を持つ。

人は自分の運命を決め、そしてその決定は変えることができる。


TA Today , イアン・スチュアート ヴァン・ジョインズ

心理学のそれぞれの理論には考案者の哲学や思想が大きく反映されています。考案者の哲学から、どの心理学を学ぶかを決めるという選択肢を持っておくのも心理学と長く付き合ううえで大切な視点であると私は考えています。

TAコーチング

コーチングと相性のよいTAをコーチングの視点からどう応用できるかを解説した一冊です。TA todayが学術書であればこちらはより実践的な書です。160ページ強とコンパクトにまとまっており、TA todayを読んだ後に重点ポイントを効率的に復習できると言う点でもコーチには最適です。「TA Todayを読んだ後に〜」と書きましたが、この本はTAについて最低限の知識を持っている方向けに書かれているので入門書ではありません。あくまで、TAのベースの知識があり、コーチングにどう活かすかという点で書かれていることに注意してください。

解説だけでなく図も非常にコンパクトに分かりやすくまとまっており、直感的に理解しやすいです。特に機能的な自我状態モードを説明する「OK-OKコミュニケーションモデル」の部分は親の否定的モードや子供の否定的モードを説明しており、これらの状態に陥ることで脚本から抜け出せないクライアントが思い当たったり、自分の自我状態の特性や脚本の傾向に気付けるなど、多くの示唆をもらいました。今後TAをコーチングに活かしていきたいと考えている方にはお勧めの一冊です。

まとめ

コーチは心理学

さて、本日はコーチが心理学を学ぶべきか?というテーマでお勧めの心理学と書籍3冊を紹介してきました。コーチは心理学を学ぶ必要があるのか?私個人の答えとしてはYesです。コーチングの祖父とも言われるアドラー、コーチングの父と呼ばれるマズローやロジャーズなど、源流を知ることには大きな価値があります。コーチングはまだ歴史も浅く、だれでもコーチと名乗れてしまうが故に質のバラツキも高く信頼性が高いかと言われるとそうとは言い切れないでしょう。

だからこそ、コーチが源流を知り、どんな哲学と思想がコーチングのDNAの中に宿っているのか、この部分を理解することが対人援助職としての態度を磨くうえできっと役立つことでしょう。私はコーチングと同時に心理学の学びを深める中で、スキル面だけでなく、クライアントに向き合う態度という意味を深く考えさせられました。人生をかけて、批判を恐れず研究に没頭した初期の心理学者の魂がコーチングに根付いているという事実を知るだけで、彼らへのリスペクトだけでなく、カウンセリング、コーチング含めた対人支援自体へのリスペクトが向上し、より、コーチングに対して敬意を育むことができるに違いありません。”井戸を掘った人を忘れない”という言葉がありますが、コーチとして、体系化された理論に感謝の気持ちを忘れずに持ち続け、その理論的枠組みをクライアントのために活用し、更に発展させていくのが今日のコーチの役割だと感じています。そして、心理学をより一般の人々へと普及させることに尽力されたTAのエリックバーン博士へ感謝を込めて。

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