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【ストレングスファインダー】原点思考を徹底解説|特徴・活かし方・注意点・他の資質との違い

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原点思考

はじめに

「ストレングスファインダー(CliftonStrengths)」34資質の中で 原点思考(Context) は、“物事を過去からたどり、歴史・経緯・背景をつなぎ合わせて今と未来の意味を照らす〈ヒストリー・ナビゲーター〉” と評される思考系資質です。出来事を点ではなく「時間軸の中の一コマ」として捉えるため、再発防止や文化醸成、ストーリーブランディングなどで独自の洞察を提供します。本稿では 〈特徴〉〈どう活かすか〉〈注意点〉〈この資質を持つ人とどう付き合うか〉〈よく比較される資質との違い〉 の5つの観点から、原点思考を徹底解説します。


1. 原点思考の特徴

視点内容
コア衝動“いま目の前の現象を、過去に起こったプロセスや物語と結びつけて理解したい”
行動プロセス出来事が起きるとまず「経緯」「前提」「スケールの変遷」をリサーチ。歴史的パターンを抽象化し、現状と重ねて解釈。背景ストーリーを語って納得感を醸成し、次の一手を提案。
強みの現れ方新メンバーに会社・プロダクトの“創業ストーリー”を語り一体感を形成。トラブルの再発原因を過去ログ・議事録から特定し、根本対策へ導く。戦略プレゼンで “Why Now?” を歴史的トレンドとセットで説得。
価値提供“なぜそれをするか” の理解を深め、意思決定を納得感のあるものへ進化。
キーワード歴史的背景/経緯分析/年代順整理/教訓抽出/ストーリーテリング

2. 原点思考を最大限に活かす方法

  1. “タイムライン・アーカイブ”を構築
    重要プロジェクトや意思決定の経緯を時系列でまとめ、いつでも参照できるナレッジベースにする。
  2. キックオフで“Origins Slide”を必ず提示
    課題のそもそも論・過去施策・学びを 1 枚に可視化し、チームの理解度を同期。
  3. 定例“Lessons Learnedレビュー”
    プロジェクト完了時に「何がうまくいき/過去の学びとどうリンクするか」を整理し再発防止と資産化。
  4. “類似史事例リサーチ”を意思決定フローに組み込む
    例:新市場参入前に、過去10年の参入成功/失敗ケースを比較し要因を抽出。
  5. 文化ドキュメントの改訂記録を残す
    ミッション・バリュー・社内儀式の来歴をアップデートし、組織文化の“年代物語”として共有。

3. 原点思考に潜む落とし穴と注意点

落とし穴具体例対策
過去志向でイノベーション停滞“昔こうだった” に縛られ新方法を拒否適応性・着想とペアで“歴史+未来”バランスを確保
情報量過多で意思決定遅延資料の掘り過ぎでタイムラインに間に合わない“調査タイムボックス2日” ルールで区切る
ストーリーが長く冗長会議が背景説明で半分終わる3 分版・10 分版・詳細版の3レベル資料を用意
過去の失敗反芻でネガティブ空気“前も失敗した” と悲観モード教訓→改善策→期待効果のポジティブ転換テンプレで共有

4. 原点思考を持つ人との付き合い方・コーチングヒント

  1. “経緯調査フェーズ”を公式に組み込む
    企画書フォーマットに「Historical Insights」欄を設け、活躍機会を可視化。
  2. 決断スピードとの折り合いを事前合意
    「調査は○日、以降は行動フェーズ」など期限を握り、データ深堀りと実行のバランスを保つ。
  3. ストーリーを“構造図”に翻訳
    彼らの知見を因果チャート・年表・フローチャートに落とし、誰でも理解できる形に。
  4. 未来志向メンバーとの“Dual Key”体制
    原点思考が歴史、未来志向が将来像を示し、チームが過去から未来へ滑らかに橋渡し。
  5. 功績を“失敗防止額”や“納得度スコア”で評価
    「過去教訓活用でコスト 2,000 万円削減」や「納得度 92 % → 97 %」など数値で称賛。

5. よく比較される資質との違い

5-1 原点思考 vs 学習欲(Learner)

項目原点思考 (Context)学習欲 (Learner)
ドライブ源過去から学ぶプロセスで学ぶ
強み歴史的因果解明新分野の高速習得
リスク過去拘束実践不足
補完関係学習欲が新知識を取得→原点思考が歴史と接合し応用

5-2 原点思考 vs 適応性(Adaptability)

項目原点思考適応性 (Adaptability)
時間軸過去→現在の連続性現在→未来の瞬間対応
行動背景調査・教訓活用リアルタイム最適化
リスク懐古・停滞長期視点不足
補完関係原点思考が歴史指針を示し、適応性が現場で柔軟実装

6. まとめ

原点思考は “過去の物語を今へ活かすヒストリー・ナビゲーター” として、組織に教訓活用による再発防止・納得感の高い意思決定・文化一体感 をもたらす資質です。

  • 特徴:背景調査、年表化、教訓抽出、ストーリーテリング
  • 活かし方:タイムラインアーカイブ、Origins Slide、Lessons Learned、史事リサーチ、文化ドキュメント
  • 注意点:過去拘束、意思決定遅延、冗長説明、ネガ反芻に注意
  • 付き合い方:調査フェーズ設定、期限合意、構造図化、Dual Key体制、数値称賛
  • 比較:学習欲とは“歴史と習得”、適応性とは“過去指針と瞬間対応” の対比

原点思考が健全に活きれば、チームは “同じ失敗の反復”や“理由なき施策”から脱却し、歴史に学び未来へ繋ぐ持続可能な成長曲線を描けます。あなた自身やメンバーにこの資質があるなら、本稿を参考に “ヒストリー・ナビゲーター” として組織の知恵と一体感を強化してください。

補足ポイント

1. 資質の成熟度(Maturity)に応じた変化

  • 未成熟な原点思考は、過去に執着しすぎて「変化への抵抗」や「ノスタルジー」に偏りがち。
  • 成熟すると、「なぜ今があるのか?」という視点から、現在の意義や背景を伝える“歴史の語り部”となる。
  • 例:以前は「昔はこうだった」と過去に固執していたが、成熟後は「今の状況にはこういう背景がある」と文脈を加えることで、理解を深める存在に。

2. 「聴く力」とのバランス

  • 相手の言葉の“背景”や“流れ”を汲み取る力が高く、過去の文脈までさかのぼって意味づけをする。
  • 一方で「今ここ」に集中しにくい傾向もあるため、相手の“現在の感情や意図”にしっかり耳を傾ける意識が重要。
  • 「その背景も気になりますが、今どう感じてますか?」という問い返しが、共感の精度を高める。

3. 他の資質とのコンビネーション例

  • 親密性(Relator)×原点思考
     → 相手の“過去”を大切にしながら関係を築く“深層的つながり型”。人生ストーリーを通じた信頼形成が得意。
  • 回復志向(Restorative)×原点思考
     → 問題の“根本原因”を過去に遡って見極め、持続可能な解決策を導く“構造修復型”。
  • 未来志向(Futuristic)×原点思考
     → 「過去に根ざした未来像」を描く“時間軸思考型”。歴史やストーリーを活かしたビジョンづくりが得意。

4. バルコニーとベースメントの対比

バルコニー(高成熟度):

  • 現在の状況を“時間の文脈”から捉えることで、背景への理解・継続性のある意思決定に貢献する。
  • 組織やプロジェクトの“なぜそれが重要か”を語る“意義の通訳者”となる。

ベースメント(低成熟度):

  • 過去の成功体験や慣習に固執し、変化にブレーキをかける存在として見られることがある。
  • 「いつまでも昔話をしている人」「過去しか見ていない人」と誤解されることも。

5. デジタル時代における活かし方

  • ナレッジマネジメントや組織ヒストリーの文書化に強みを発揮。背景・経緯・プロセスを記録・共有する文化の守護者
  • 組織変革時の「なぜ今これをするのか?」の文脈整理役として重宝される。
  • 時系列に沿ったスライドや年表、ストーリーテリング資料の作成が得意で、変化への納得感と接続感を生み出す。

7. 原点思考の特徴はこちらの動画から!

参考文献

  1. Gallup. “The Strategic Theme: How You Can Productively Aim Your CliftonStrengths Talent.” Gallup.com.
  2. Gallup. “Strategic Thinking Domain of CliftonStrengths.” Gallup.com.
  3. Rath, T. さあ、才能に目覚めよう srengthsFinder 2.0. 日本経済新聞出版, 2017.
  4. Gallup. ストレングスリーダーシップ. 日本経済新聞出版社, 2013.

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