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はじめに
「ストレングスファインダー(CliftonStrengths)」の34資質の中でも 戦略性(Strategic) は、“状況を俯瞰し、最短でゴールに到達するルートを描き出す羅針盤”と形容される思考系資質です。複雑に入り組んだ選択肢の森のなかでも瞬時に分岐を見分け、「もしこの道なら、次に起こるのは…」とシミュレーションを繰り返しながら最適解を導きます。本稿では 〈特徴〉〈どう活かすか〉〈注意点〉〈この資質を持つ人とどう付き合うか〉〈よく比較される資質との違い〉 の5観点から戦略性を徹底解説します。
1. 戦略性の特徴
視点 | 内容 |
---|---|
コア衝動 | “目的までの経路を素早くデザインしたい” |
思考プロセス | 脳内で「もしAならB」「もしCならD」と枝分かれを高速で描くシナリオ・プランニング |
強みの現れ方 | 複雑な状況ほどワクワクする選択肢が多いと素早くパターンを見抜き道筋を提示「代替案」を常に2・3用意しておく |
価値提供 | 組織・チームに対して危機回避策や大胆な迂回策を提示し、意思決定スピードを高める |
キーワード | シミュレーション力/選択肢の並列評価/道筋の言語化 |
2. 戦略性を最大限に活かす方法
- 抽象度の高いゴールをまず共有する
戦略性は「目的地」が不明確だとルートを描けません。始動前に「最終的に誰にどんな価値を届けたいか」「成功の定義は何か」を握りましょう。 - “分岐点”を可視化する
戦略性の頭の中にはフローチャートが走っています。ホワイトボードやマインドマップに分岐を書き出すと、他者とも思考を共有しやすくなり、スピードが落ちません。 - 小さな実験を繰り返す
優れた戦略は仮説→検証→学習のサイクルで磨かれます。プロトタイプやA/Bテストを積極的に入れ込み、フィードバックを高速で回すことが戦略性の“先見的な賭け”を堅実にします。 - リスクシナリオもセットで提示
選択肢ごとの「失敗確率」「代替ルート」まで示すと、周囲の安心感が跳ね上がり、決断の後押しになります。 - 戦略を“物語”として語る
ロジックだけでなく「こう進めると、顧客がこう喜び、チームがこう成長する」というストーリーを添えると、実行フェーズで仲間の腹落ち度が高まります。
3. 戦略性に潜む落とし穴と注意点
落とし穴 | 具体例 | 対策 |
---|---|---|
プラン過多で着手が遅れる | 選択肢を比較し続け、GOサインが出ない | 80%の確信で行動開始、残り20%は走りながら修正 |
“最適”にこだわり変化に弱い | 計画外の事態で意思決定がフリーズ | “臨機応変こそ戦略”と捉え直し、常にプランBを明示 |
思考過多で他者を置き去り | 頭の中で飛んだステップを口頭で省略し理解のギャップが生まれる | ロジックを1→2→3と階段状に言語化して共有 |
リスクばかりを強調 | 「もし失敗したら…」を語りすぎて周囲の士気低下 | リスクと同じ熱量で成功ストーリーを描く |
4. 戦略性を持つ人との付き合い方・コーチングヒント
- “目的地”をセットで依頼する
「来季売上+20%を達成する道筋を描いて」とゴールを明示すると才能が一気に点火します。 - 途中経過をブレスト形式で聞く
戦略性は案を話しながら洗練させます。“ドラフト段階で聞かせて”と声を掛けることで、相手は思考を外在化でき、早期に方向性を共有できます。 - 選択肢の評価軸を補完する
“顧客体験”など感情的要素が盲点になりがち。そこをあなたが提示すると戦略の品質が跳ね上がります。 - 決断期限を握る
プランを吟味しすぎる傾向があるため、「○日までにバージョン1を提出しよう」と期限をセットで提案すると実行が加速します。 - 実行フェーズのフォローを厚く
作戦を描くフェーズが花形ですが、いざ実行局面になると興味が逸れることも。進捗モニタリングやタスク分解をサポートすると成果に直結します。
5. よく比較される資質との違い
5-1 戦略性 vs 未来志向(Futuristic)
項目 | 戦略性 | 未来志向 |
---|---|---|
主語 | 経路 | 目的地 |
時間軸 | 現在→未来へのルートを描写 | 未来そのもののビジョンを描写 |
動機 | 複数シナリオを最適化する楽しさ | まだ見ぬ世界を具体化するワクワク |
行動トリガー | 選択肢を比較して「今、どれを選ぶか」 | 魅力的な将来像を共有し「そこへ行きたい」 |
コンビで活かす | 未来志向が描く壮大なビジョンを、戦略性が具体的なロードマップに落とし込むと最強 |
5-2 戦略性 vs 分析思考(Analytical)
項目 | 戦略性 | 分析思考 |
---|---|---|
主な入力 | 可能性・パターン | データ・因果関係 |
思考の質 | 直観的に道筋を“パッ”と組み立てる | 数字や事実を検証しながら仮説を立てる |
決定までの速度 | 速い(直観的) | やや慎重(エビデンス重視) |
盲点 | 感情面・人間関係 | スピード・大胆な舵切り |
コンビで活かす | 戦略性が素早く案を出し、分析思考がデータで裏づけて堅牢化 |
6. まとめ
戦略性は「先を読むシミュレーション能力」と「複数ルートの取捨選択」を武器に、チームの行き先を最短距離で導く資質です。
- 特徴:枝分かれ思考で最適ルートを瞬時に可視化
- 活かし方:目的共有→分岐の可視化→小さな実験→リスクと物語をセットで提示
- 注意点:プラン過多・思考過多・リスク強調に要注意
- 付き合い方:ゴール提示、途中ブレスト、期限設定、実行サポートで才能を最大化
- 比較:未来志向とは“目的地と経路”、分析思考とは“直観とデータ”の違い
戦略性が光ると、組織は「決断の遅れ」というボトルネックを解消し、変化の激しい市場を俊敏に泳ぎ切れます。もしあなた自身、あるいはチームメンバーにこの資質があるなら、本稿を参考に“戦略の羅針盤”を最大限に活かし、次の一歩を踏み出してください。
7. 戦略性の特徴はこちらの動画から!
参考文献
- Gallup. “The Strategic Theme: How You Can Productively Aim Your CliftonStrengths Talent.” Gallup.com.
- Gallup. “Strategic Thinking Domain of CliftonStrengths.” Gallup.com.
- Rath, T. さあ、才能に目覚めよう srengthsFinder 2.0. 日本経済新聞出版, 2017.
- Gallup. ストレングスリーダーシップ. 日本経済新聞出版社, 2013.
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