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アドラー心理学の基本原理:自己理解と人生の意味づけに向き合う

2024年6月29日

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アドラー心理学

アドラー心理学の基本原理:自己理解と人生の意味づけに向き合う

アドラー心理学は、個人の成長を促進するための実践的な理論として広く認識されています。このブログでは、アドラー心理学の基本概念を紹介し、それがどのようにして日常生活や人間関係の改善に役立つかを探ります。アドラーの理論は、自己理解を深め、他者との関係を築くための強力なツールとなります。

このブログは、アドラー心理学基本的な概念や理論をお伝えし、読者の皆様がより良い人生を送るためのヒントを提供することを目指しています。特に劣等感、劣等コンプレックス、優越コンプレックス、共同体感覚、ライフスタイル、人生の課題、目的論、そしてコモンセンスはアドラー理論の重要な概念です。

このブログを通して更にアドラー心理学を深掘りしたいと感じた方は文末にあるお勧め書籍に目を通されると更なる知識や洞察を得られるはずです。このブログが皆様の自己成長に繋がるきっかけになることを願っています。

アドラー心理学の主要理論

それでは早速、アドラー心理学の主要な理論から見ていきましょう。

劣等感 

劣等感はアドラー心理学において中心的な役割を果たす概念です。アドラーによれば、劣等感は誰もが経験する普遍的なものであり、自分の能力や価値に対する否定的な感覚から生じます。この感覚は幼少期の経験や他者との比較によって強まることが多いです。しかし、アドラーは劣等感を単に否定的なものとは見ていません。むしろ、それを成長や自己改善の原動力と捉えています。例えば、学業で劣等感を感じた子供が一生懸命勉強し、学力を向上させることで自信を得る場合があります。このように、劣等感を克服するための努力や目標設定が個人の成長を促し、自己実現へと導くのです。

劣等コンプレックス 

劣等コンプレックスは、劣等感が極度に強まり、個人の行動や思考に深く影響を与える状態を指します。これは、自分の劣等感を過剰に意識し、それが日常生活や人間関係において大きな障害となる状況です。例えば、仕事での失敗に対する恐怖心から新しい挑戦を避けたり、他人と比較して自分を常に低く評価することで、自信を持つことができなくなります。このような状態では、自己成長の機会を逃しやすく、社会的な孤立感や無力感を感じることが多くなります。劣等コンプレックスを克服するには、自分の価値を再認識し、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

優越コンプレックス 

優越コンプレックスは、劣等コンプレックスから逃れるための防衛として理解されています。これは、自分の劣等感を隠すために他者よりも優れていると感じたり、そう見せかけたりする態度です。例えば、仕事での自信のなさを隠すために、同僚に対して過度に競争的な態度を取ることがあります。このような態度は、内面的な不安や劣等感を補償するためのものであり、しばしば他者との対立を引き起こします。アドラーは、優越コンプレックスが真の自己成長や共同体への貢献を妨げると指摘しています。真の成長を遂げるためには、他者との比較ではなく、自分自身の内面的な成長に焦点を当てることが重要です。

共同体感覚 

共同体感覚は、アドラー心理学の核心的な概念の一つです。これは、個人が社会の一員としての自分の位置を理解し、他者との協力や連帯を感じる能力を指します。アドラーは、人間が本質的に社会的な存在であり、他者との関係を通じて自己を実現することが重要であると考えました。例えば、職場でのプロジェクトにおいて、個人の成功だけでなくチーム全体の成功を目指して協力することが挙げられます。共同体感覚は、共感や相互尊重、協力を基盤としており、自己中心的な行動を超えて、社会全体の福祉に貢献することを目指すものです。この感覚を育むことで、個人はより豊かで意味のある人生を送ることができるとされています。

※共同体感覚の注意点は、単に利他主義になれということではありません。共同体感覚は周りの人や社会を超えた、”到達できない理想”と言われています。その範囲は国家、宇宙、動植物などを含み、より高次の共同体に貢献するには、時にはNoを言う勇気が必要と解釈することもできます。

コラム:二分法の超越と共同体感覚

第三の心理学である人間性心理学の創始者と言われるアブラハム・マズロー博士の欲求階層論の最上位に位置する自己実現的人間は二分法を超越した状態であると言われている。良い悪いではなく、正義か悪かではなく、より高次な視点から物事を捉えることができ、ある種の曖昧性を受け入れられる心理的な健康度が高い状態とも表現できます。また、二分法を超越した心理状態では、利己的なものが利他につながる状態なので、利己も利他も存在しません。アドラー研究者の岸見氏の書籍でも共同体感覚とは利他を意味するものではないと述べられています。

引用

共同体感覚は利己的な目標追求に拮抗することになる第二の動因、利他的な動因として考えられてはならないということである。(中略)むしろ、アドラーは共同体感覚を模範的な理想として優越性追求に方向性を与えるものとして考えている。

共同体感覚の諸相, 岸見一郎

※この引用で言われている”利己的”という言葉は、自分にだけ関心が向いている私的理論に基づいた自己中心的な人間と解釈しています。

アドラーの理論に沿えば、劣等感自体は使い方次第では有用なものです。健全な劣等感の克服を通して、自己成長や社会貢献に繋がる信念や態度を強化することがアドラー理論の目的の一つであるならば、その状態に達している個人は、利己も利他もないマズローの二分法超越という理論的見解と一致していると解釈できます。利己か利他かという二分法を超えるためには、自己認識を深め、劣等感に向き合い、人生の意味づけに”共同体感覚”という方向性を付加し、健全に劣等感を満たすという決意とプロセスこそが重要なのではないかとこのブログを執筆しながら感じています。

ライフスタイル

アドラー心理学における「ライフスタイル」とは、個人が自分や人生をどのように捉え、どのように行動するかを包括的に示す概念です。現代アドラー心理学では、ライフスタイルを「自分と世界の現状と理想についての信念体系」と定義し、個人の思考、感情、行動が一貫して特定のパターン(目標)に従うことを指摘しています。ライフスタイルは幼少期に形成され、家族環境、教育、社会的経験などが大きな影響を与えます。

例えば、家庭での親の教育方針や兄弟との関係が、子供の自己認識や世界観に大きな影響を与えます。子供は周囲の人々との相互作用を通じて、自己と世界に対する基本的な信念や態度を発展させます。これらの信念や態度は、将来的な行動の指針となり、個人が人生の課題にどのように取り組むかを決定します。例えば、勇気づけを重視した家庭で育った子供が自主性を重視し、困難に対して積極的に挑戦するライフスタイルを持つことが考えられます。一方で、甘やかされた環境で育った子供は自己依存心が強く、困難に直面した際に逃避する傾向があるライフスタイルを持つこともあります。

人生の課題

アドラー心理学では、人生の課題とは、個人が健全で充実した生活を送るために克服すべき重要なテーマや問題のことを指します。アルフレッド・アドラーは、人間が直面する人生の課題を三つの主要なカテゴリーに分類しました:仕事、交友、愛です。これらの課題は、個人の社会的適応と自己実現において密接に関連しています。

仕事の課題

仕事の課題は、個人が社会の一員として生産的に貢献する能力に関わります。アドラーによると、人は宇宙の殻、つまり地球で生きているのであり、それ以外では生きられません。この制限の中で発展していく必要があります。この地球における人間の限界、すなわち弱さや危険を考慮するのであれば、この克服のために、人類とって、国家において、地球において、そして宇宙において有益な形で貢献する必要があります。一方で、仕事の課題は対人関係においては最も難易度が低いとも言えます。もちろん、仕事で人と関わることはありますが、職場を離れてまでその関係を持ち込む必要はありません。仕事においては他者との協力は必要なものの、基本的には一人で成し遂げる課題という位置付けです。

交友の課題

交友の課題は、他者との健全な人間関係を築く能力に関わります。アドラーは、人間は社会的な存在であり、他者との協力や連帯が不可欠であると強調しました。我々人間は、誰もただ一人の成員ではなく、周りには必ず人がいます。人間は個人としては限界があり、他者の協力なしでは目標を成し遂げることはできません。つまるところ、人はその弱さを補うために、常に他者と結びついているのです。交友を通じて人々は社会的なスキルを磨き、共感、信頼、協力などの精神を養います。健全な交友は、個人が孤立せず、社会的な支えを感じるための基盤となります。自分や他者の幸福のために最も貢献するのは共同体感覚であり、人生の課題への答えはこの結びつきを常に考慮する必要がありますが、交友の課題では、仕事の課題よりも一段その感覚が深いとも言えるでしょう。

愛の課題

最後に、愛の課題は深い親密な関係を築く能力に関わります。これは、特にパートナーシップや家族関係において重要であり、二つ目の交友の関係が基礎となります。関係が一時的ではないので、継続性があり、深みが出るという前提で、仕事、交友、愛という順に難易度が高くなります。仕事と交友を通じて社会における有益な貢献と、他者との協力という態度を確立した個人は、愛の関係において相互の尊重と理解、献身を示すことができる可能性が高まります。愛の課題においては、この持続性と深さがその他の課題とは異なる点です。

目的論

目的論は、アドラー心理学における中心的な概念の一つであり、個人の行動や感情が特定の目的や目標に向かっているという考え方です。アルフレッド・アドラーは、人間の行動を理解するためには、その行動が何を達成しようとしているのかを考える必要があると主張しました。

目的論の基本原理

目的論は、人間の行動が過去の経験や原因によって単に引き起こされるのではなく、未来に向かって意図的に方向づけられているという信念に基づいています。これは、個人が無意識的に設定した目標や願望を達成するために行動するという視点です。例えば、職場で不安を感じる人がいるとします。この不安は単なる反応ではなく、特定の目的、例えば他者の関心を引き助けを得ることに向けられていると考えられます。このように、行動の背後にある目的を理解することで、より深い洞察が得られます。

目的論と原因論の違い

目的論は原因論とは異なります。原因論は、人間の行動が過去の出来事や経験によって引き起こされると考えます。一方、目的論は、行動が未来の目標や結果を達成するために選択されていると主張します。例えば、過去のトラウマが原因で引きこもりになった人がいる場合、原因論はその過去の出来事に焦点を当てます。しかし、目的論では、その引きこもりが現在どのような目的を達成しようとしているのか、例えば自己防衛や安心感を得ることに焦点を当てます。アドラーは、過去の出来事が現在の行動に影響を与えることは認めつつも、それだけでは人間の行動を完全には説明できないと考えました。むしろ、未来に向けた目標や意図が行動を決定する重要な要素であるとしました。

コモンセンス

幸福な人生を歩む人には共通する特徴があり、それはコモンセンス(共通感覚)と合致しているかどうかに関係しています。コモンセンスとは「共通の感覚」を意味し、個人だけでなく組織や家庭などでも共に受け入れられる意味づけを指します。辞書では「常識」と訳されることが多いですが、アドラー心理学ではコモンセンスは常識とは必ずしも一致しません。

アドラーは、コモンセンスと対比して「私的論理」という概念を提唱しています。これは、個人にとっては受け入れられても、共同体では受け入れがたい意味づけを指します。例えば、自己中心的な考えや行動がこれに該当します。私的論理に基づいて生きると、結果的に人生が行き詰まりやすくなります。幸福な人生を歩むためには、個人の視点だけでなく、社会全体の視点を考慮したコモンセンスを重視することが重要です。

例えば、「子供は親に絶対に従うべき」というライフスタイルを持った親がいたとします。しかし、子供が自分の意見や感情を表現することもとても重要です。この場合、親が子供の意見を尊重し、対話を通じて理解し合うことが「コモンセンス(共通感覚)」と言えるでしょう。この場合、親子関係がより健全で強固になることが共通の感覚での適切な行動です。このようにライフスタイルがコモンセンスと合っているかどうかという視点で自身の信念体系を見直してみることも内面的成長には重要です。

まとめ

アドラー心理学の主要な概念は、個人の行動や感情、そして社会との関わり方を深く理解するための強力な枠組みを提供します。劣等感は誰もが経験する感情であり、これを成長の原動力とすることで自己実現を促進することができます。一方で、劣等コンプレックスや優越コンプレックスは、個人の成長を妨げる要因となり得ます。これらを克服するためには、自己価値の再認識と小さな成功体験が重要です。

共同体感覚は、個人が社会の一員として他者との協力や連帯を感じる能力であり、これが社会全体の福祉に貢献する基盤となります。ライフスタイルは、幼少期に形成される信念体系であり、個人の人生の課題にどのように取り組むかを決定します。交友、仕事、愛の課題は、個人の社会的適応と自己実現に密接に関連しています。

目的論は、人間の行動が過去の経験ではなく、未来の目標や意図に向かっているという視点を提供します。これにより、行動の背後にある目的を理解することができます。コモンセンスは、個人と社会が共に受け入れられる意味づけを指し、これが幸福な人生を送るための基盤となります。

幸福な人生を送るためには、アドラー心理学のこれらの概念を理解し、実践に取り入れることが重要です。個人の成長と社会貢献を両立させるためには、他者との協力や連帯を重視し、自己価値を認識し続けることが求められます。アドラー心理学の理論は、私たちがより充実した人生を送るための貴重な指針となります。

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